村 越 潤 氏
所属:(独)土木研究所 構造物メンテンナンス研究センター

授章理由

 村越 潤氏は、昭和62年に建設省に入省し、旧土木研究所構造橋梁部橋梁研究室に配属され、その後の大半は橋梁の研究に従事されています。平成10年以降、本省建設経済局環境調整室、国土技術政策総合研究所地震防災研究室を経て、平成14年に、(独)土木研究所の構造物研究グループ橋梁担当の上席研究員に異動され、現在は同構造物メンテナンス研究センターの予測評価・上部構造担当の上席研究員としてご活躍されています。
 研究分野としては、鋼橋の疲労・腐食、鋼製橋脚の耐震性、橋梁の耐風安定性、既設橋梁の維持管理等と幅広く、それらの成果は土木学会、橋梁業界で高く評価されています。このうち、鋼橋の腐食に関する研究では、「鋼橋の腐食事例調査と腐食部材の補強法に関する研究」と題した論文により、平成13年の土木学会田中賞(論文部門)を受賞されました。また、近年では鋼床版の疲労損傷に関する研究において顕著な成果を上げられています。とくに、閉断面縦リブを有する鋼床版の疲労亀裂による損傷について、原因究明、非破壊調査法、補修補強方法及び疲労耐久性の向上技術に関する研究を進められ、それらの成果は、より耐久性の高い橋梁の建設や維持管理に大きく貢献しています。
 また、日本道路協会橋梁委員会の鋼橋小委員会幹事長として道路橋示方書Ⅱ鋼橋編の改定等に貢献され、平成23 年からは同鋼橋小委員会委員長に就任し、今年3月の道路橋示方書改定に大きく貢献されました。なお、道路橋示方書の次期改定では部分係数設計法の導入が検討されていますが、この部分係数設計法を鋼橋の設計に適用させるため、設計体系の構築、必要となる部分係数の設定方法及び具体的数値の検討に関し、指導的な役割を果たされています。
 さらに、直轄・自治体の鋼橋の設計施工・維持管理に係る技術支援や、国土交通大学校の各種構造物研修、日本鋼構造協会の鋼構造技術者育成講習会の講師、学協会の研究会等で講演されるなど、技術者の育成にも尽力されています。
 以上のように、鋼橋の研究や技術基準、現場の技術支援、技術者育成等において多彩かつ顕著な貢献が評価され、村越 潤氏はブリッジエンジニアメダルを受章するにふさわしいと認められました。


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