だいたい「鋼橋」ってなんだ? という人のために、ここでは鋼橋についておおまかに説明するよ。 人が生活のために橋をかけることを考え出してから、橋はずいぶんと変化してきた。移り変わっていく様子を見ながら「鋼橋」を知ろう!

 橋は何のためにつくられたの?

橋の起源は原始の時代、谷や川を渡るために丸太や倒木を渡したり、池に石を渡したことが始まりです。 人間の知恵や技術が進むにつれ橋はどんどん長くなり、石を積んだアーチ形の橋(写真1,2)や木を組み合わせたタイコ橋(写真3)が出現するようになりました。
写真1 ギャール川水道橋
(Pont du Gard,France)
紀元前19年フランス
3層の半円アーチ構造の水道橋
(全長2175m、高さ48.8m)
提供:山田健太郎氏
写真2 通潤橋
1854年 熊本県
日本最大の石造アーチの水路橋
写真3 江戸時代の両国橋
画:葛飾北斎
川も橋も大変な賑わい

近代に入ると、馬車や荷車などの重い荷重にも耐えられるよう鉄を組み合わせた橋が登場(写真4)、そのコンクリートの橋も造られるようになりました。
現代では車や列車の大型化に伴い、鋼(ハガネ)を材料とする「鋼橋」やコンクリートの弱点を鋼線で補う「PC橋」(プレストレス・コンクリート橋と呼ぶ)が主流となっています。

写真4 アイアンブリッジ
(Iron bridge,United Kingdom)
1781年 イギリス 産業革命初期、
近代式製鉄法発祥の地に かけられた 最初の鉄の橋 (支間30m)
提供:林良嗣氏
 橋の分類

現在、橋にはさまざまな種類があり、橋を分類する方法もいろいろです。ここでは何種類かの分類の例を見てみましょう。

■使用目的(通行する対象)による分類
道 路 橋 : 自動車、人(道路の一部として建設)
鉄 道 橋 : 鉄道、モノレール等(写真5,6)
人道橋・歩道橋 : 人、自転車など
水 路 橋 : 水路(写真7)
パイプライン橋 : 上水、工業用水、石油その他
併 用 橋 : 道路と鉄道、道路と水路など複数の目的を兼ね備える

写真5 手宮―幌内間鉄道
(明治中期頃)
写真6 市民の足
「千葉都市モノレール」
写真7 南禅寺境内の
琵琶湖琉水の水道橋

「水路閣」
撮影:三沢博昭

■橋を構成する材料による分類
石 橋 : 石をアーチ状に積み上げる(写真8)
木 橋 : 木材を直接またはアーチ状に組む(写真9)
コンクリート橋 : コンクリートを鉄筋で補強した材料を
使用
鋼 橋 鋼(ハガネ)を部材として使用
P C 橋 (プレストレス・コンクリート橋)コンクリートに銅線で圧縮力を入れて補強した材料を使用

写真8 日本橋
明治44年 東京都中央区
日本国道路元標
提供:荒井英範氏
写真9 錦帯橋
1673年 山口県
岩国藩主によって架けられた
木造5連アーチ橋
橋長193.3m
提供:岩国氏

■橋の構造形式による分類
桁橋(プレートガーター橋):梁を渡す(写真10)
ト ラ ス 橋 : 部材を組み合わせてトラスに構成(写真11)
ア ー チ 橋 : 部材をアーチ状に構成(写真12)
ラーメン橋 : 部材をχ 形に構成
斜 張 橋 : ケーブルを斜めに張り梁を吊る
吊   橋 : ケーブルを張り渡して梁を吊る(写真13)

写真10 忠別橋
テラスのある橋
撮影:岡田一天
写真11 フォース橋
(Forth Bridge,United Kingdom)
1890年イギリス
中央支間518m、全長1625mの
ゲルバートラス橋
写真12 青岸橋
美しさに定評のある
バスケットハンドルタイプの
ニールセンアーチ橋
写真13 大鳴門橋とうず潮
 
■プレートガーター橋

 

■ト ラ ス 橋

 

 

■ア ー チ 橋

 

 

■ラーメン橋

 

 

■斜 張 橋

 

 

■吊   橋

 

図1 橋の形式

橋の構造はこの6タイプが基本となって、単体の橋のまま(単純形式)や複数の橋を連続してつなげる連続形式など、組み合わせによって多くの形式が生まれます。

 鋼橋とは

■鋼(ハガネ)の特徴
鋼は、鉄にさまざまな化学元素を含ませて熱処理を施したもので、強度が高く、弾力性に富む素材です。特に引っぱる力に対して強く、圧縮される力に対しても、曲がる(座屈という)現象を防ぐため、補強することによって引っぱる力に対するのと同等の強さを発揮する材料です。材料となる鋼材は、製鐵所で注文に応じた強さ、厚さの鋼板が作られ、材料の均一性や品質が保証されています。

■鋼橋-鋼を構成部材とした橋
谷間や川幅を、間に柱を設けないで一気に渡すことを支間といいます。支間が大きくなればなるほど橋に加わる力が大きくなるため、これに対応できる鋼を構成部材とした鋼橋の出番が多くなります。 鋼橋は、車や列車などが渡ることによってかかる大きな力に対応することができ、橋自身の重量 も軽いので、大支間でもつくることができます。また、工場で板材などを溶接加工して組み合わせるため、平面 や側面が曲線形や複雑な形状でも精度良く作ることができます。

■鋼橋の長所
(a)軽量で強度が強い。 (b)複雑な形状にも対応できる。 (C)管理された工場製品であり、精度が高く信頼性が高い。

■鋼橋の短所
(a)錆びる。(ペンキ塗りが必要になる) (b)揺れやすい。(軽くて弾力性に富むため、振動が問題となることがある)

 現代の代表的な橋

あいだに支柱を設置することが困難な海を渡る橋梁や都市内の複雑な高速道路の橋、弱い地盤上に築造される立体的で複雑な構造物(橋)は、軽くて強度の高い鋼橋の独断場となるのです。(写真14、15)

写真14 来島海峡大橋
(本州四国連絡橋)
写真15 名古屋環状
2号橋上社 JCT